大人の皮膚病

Adult

にきび

ニキビは性ホルモンの働きなどにより、毛穴の中の油分が増え、さらに毛穴の出口が詰まることにより始まります。この結果、毛穴の中に皮膚の角質や油分(皮脂)が溜まり続け、ニキビが目に見えるようになります。これが、白ニキビ(毛穴が閉じていて、全体が白っぽく見えるタイプ)、黒ニキビ(毛穴が開いていて、毛穴の汚れが黒く見えるタイプ)の状態です。
また、脂分を分解するために、にきび菌が増殖して、結果として炎症・膿みを引き起こします。

にきびの治療方法

ニキビには慌てて治療しなくてもよいニキビと、ちょっと急いで治療しなければいけないニキビの二つがあります。
急いで治療が必要なニキビは、赤ニキビです。放置しておくと、ニキビ跡(あと)になってしまう可能性が大きいからです。いわゆる白ニキビ・黒ニキビはそれほど緊急性はありませんが、見た目の問題や赤ニキビへの進行の予防などの意味合いから、治療が望ましいです。薬物治療には、外用薬と内服薬があります。患者さんの肌質やニキビの状態に合った治療の組み合わせが大切です。

治療は重症度を調べることから始めます。
顔の半分に赤いボツボツ(炎症性丘疹)を数えます。

軽症:1~5個 抗生物質外用
中等症:6~20個 抗生物質内服+抗生物質外用
重症:21~50個 強い抗生物質内服+抗生物質外用
最重症:51個以上 大学病院や大きな病院に依頼

治療の手順

まず重症度判定を行います。

治療開始から1~2ヶ月は、赤ニキビや化膿したニキビの治療を行います。
3~6ヶ月は、主に白ニキビの治療を行います。
6ヶ月~2年位、白ニキビができるのを抑える維持療法を行います。

2年位の治療期間がかかります。

薬の種類

  • 内服抗生物質の種類
    テトラサイクリン系、マクロライド系、セフェム系、ニューキノロン系など
  • 外用抗菌剤
    クリンダマイシン、ナジフロキサシンなど
  • 過酸化ベンゾイルとその合剤
    外用レチノイド:アダパレン

治療の基本

赤ニキビ、化膿ニキビの治療 ⇒ 白ニキビの治療 ⇒ 維持療法(白ニキビの生成をおさえる)

光線療法について

  1. 青色LEDという紫外線を取り除いた光エネルギーを,皮膚の奥まで届け、その光によって、ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌することが出来ます。ニキビの原因となる過剰な皮脂分泌を抑えてくれる効果もあり、皮脂によって炎症を起こしてしまっているニキビやニキビ跡なども鎮静化させることが出来ます。
  2. IPLは、2種類の光(青と赤)と温熱の相乗効果で赤いニキビ(膿疱性ざ瘡)やニキビ痕の赤味を改善する光線照射装置です。

ニキビ跡の治療について

当院では、フラクショナルレーザー治療をおこなっています。自費治療となります。
皮膚表面を傷つけることなく、真皮コラーゲンを刺激し、コラーゲンの新生を促し、皮膚表面の凹凸の改善が期待できます。

日常生活の注意点

  • 規則正しい生活を心がけましょう。
  • 睡眠は十分に取り疲労を蓄積しないようにしましょう。
  • 食事は偏りなく、野菜もたっぷり食べましょう。
  • 洗顔は朝晩2回、やさしくこすらないようにしましょう。
  • 化粧品はオイルフリーが良い場合があります。
  • 髪が肌に刺激を与えないようなヘアースタイルを心がけましょう。